注目集める「介護保険外サービス」

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団塊の世代が75歳以上となる2025年を控え、「介護保険外サービス」が注目を集めています。今後、認知症高齢者や単身高齢世帯等の増加に伴い、医療や介護サービス以外にも、在宅生活を継続するための日常的な生活支援等を必要とする高齢者の増加が見込まれます。従来の世代に比べて消費文化を謳歌した団塊世代が今後高齢化することにより、自分のニーズに合致した付加価値の高いサービスに対価を払う消費者が、増えていくと予想されます。
介護保険等の社会保険制度や公的サービスの「公助」や、ボランティアや住民主体の活動等による「互助」には限度があり、在宅介護には、市場サービス購入等である「自助」の充実がもとめられています。

ひざが悪く、バスでの買物や庭の手入れはきつい。買物代行や庭の草むしりなどのサービスがあれば、自宅で過ごす高齢者の生活の質が格段に向上します。要介護認定のない自宅で過ごす高齢者ほど、こうしたちょっとした支援が求められています。
「見守りネットワークきずな」(長崎県佐世保市)では、買物代行・商品宅配や便利屋サービス、無料の見守りサービスを提供しています。要介護認定はないけれど、膝が悪く、バスでの買物や庭の手入れはキツイ。利用者は「頼みやすくて家族のような゛きずな゛があるから住み慣れた家で一人暮らしが続けられる」と感謝します。

要介護認定を受ける前から、家具の移動や電球交換をはじめとして、「以前はできていたが、できなくなること」が少しずつ増えていきます。また、核家族化が進み、高齢者のみの世帯が増えていることから、「子供世帯が同居していたらやってくれていたであろうこと」が外部化(サービスとして購入される)される余地が大きくなります。

経済産業省や厚生労働省などは、昨年3月、こうした保険外サービスの事例を集めて「保険外サービス活用ガイドブック」を作成しました。配食や見守りなど多様なサービスを提供する全国の39の事業者を紹介しています。

福岡市では、昨年、市内の保険外サービス事業者を検索できるウェブサイト「ケアインフォ」を開設しています。

現在、55事業者のサービス93種が登録され、想定を超える月約700件のアクセスがあるといいます。

いくつかの事例を通じて、改めてその重要性が確認されたのは、高齢者向け保険外サービスにおいて、人と話をする、人と触れ合うといった「コミュニケーション」そのものにニーズが大きいという点です。
例えば、「郵便局の見守りサービス」の様に、「見守り」を意図してスタートしたものが、結果として「会話」が顧客に支持されている場合もあります。
みまもりサービスの価格(税抜):
30分訪問コース:1,980円/月1回
60分訪問コース:2,480円/月1回

また、コープこうべの「テレビめーむ」では、宅配サービスという形はとりながらも、事業者の狙い として「家族とのコミュニケーション」に軸足を置いています。専用端末を使って、自宅のテレビ画面からインターネット経由で 宅配商品の注文ができ、見守りや家族間のコミュニケーションも 図ることができます。

在宅介護だけでなく、有料老人ホームでの介護や、デイサービスでも介護保険外サービスのニーズは高まっています。ちょっとした事で、高齢者の生活の質は、格段に向上します。介護保険サービスにとらわれない高齢者のニーズに合致した付加価値の高い介護保険外サービスの提供が求められています。介護保険外サービスの問題は、採算です。
消費することに慣れた団塊の世代が対象となれば、ビジネスの可能性も大きくなり、よりサービスの選択肢が広がることを期待しています。

住宅型有料老人ホーム藤の蕾 事務局の中村でした。