バーセル・インデックス

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厚生労働省は、2021年4月の介護報酬改定から「ADL維持等加算」の単位数を10倍にすることを公表しました。その背景には、ADL維持加算の算定の低さがあります。(2019年4月にADL維持加算の算定があった通所介護事業所は、2.6%という取得率の低さ)。国は、ADL維持加算の取得率アップを通じて、自立支援を促進させて、要介護度の重度化を防ぐ狙いがあります。
医療現場では、患者のADL評価は必須ですが、介護現場では活用できていないのが現状です。平成30年4月よりインセンティブ制度として導入されたADL維持等加算は、「バーセル・インデックス」を活用したアウトカム(結果)評価です。

こんにちは!住宅型有料老人ホーム 藤の蕾 事務局の中村です。

さて、本日は、ADL維持等加算の取得ではなく、ADL評価に使われる「バーセルインデックス」についてついて解説します。が、その前にADLについて復習しておきます。ADLとは「Activities of Daily Living」の略で、日本語で「日常生活動作」と呼ばれています。ADLは大きく分けて2種類あります。「BADL(基本的日常生活動作)」と、「IADL(手段的日常生活動作)」の2種類です。BADLとは「立つ」、「座る」、「食事」、「排泄」などの日常生活を送る為の最低限の必要な動作の事で、IADLは、「掃除」、「洗濯」といったBADLよりも複雑な動作の事を言います。介護保険制度では、BADLを中心に「バーセルインデックス(Barthel Index)で評価します。ADL維持等加算は、このバーセルインデックス評価で成果が出た場合に算定できる加算です。

バーセルインデックスでは、食事、排泄、入浴といった10項目を対象に、100点満点で評価します。

バーセルインデックスは、日本だけでなく、世界的に普及しているADL評価法です。

[ バーセルインデックスの特徴 ]

  • 100点満点で簡単に評価できる。
    自立に対しては厳格に評価することを求めています。介助や見守りが必要であったり、誰もいない状況でも安全に動作ができないと、自立とは認められません。
  • 「できる能力」を評価している。
    日常生活動作ができたことを評価しますので、普段から行っていなくても「できる」ものであれば評価対象となります。対象者が実施できた最大能力を評価しています。が、バーセルインデックスは、「している能力」は評価していません。実際の生活場面で「している能力」を評価している「機能的自立度評価法(FIM)」の評価と照らし合わせて支援内容を検討することが必要でしょう。
  • IADL(手段的日常生活動作)に対する評価はできない。
    バーセルインデックスが100点満点であっても、1人で生活できるという評価はできません。1人で生活できる能力(調理時の火の管理、金銭管理etc)の評価がおこなえないからです。

    バーセルインデックス(BI:Barthel Index)は、FIMに比べて採点方法が簡易のため評価がしやすく、100点満点でかんたんに評価することができるADL評価です。介護報酬改定でのインセンティブ制度の方針も踏まえて、通所介護(デイサービス)を中心にこれからぜひ活用してみてください。